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AIで書いた記事のファクトチェック方法|手順とチェック表

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AIで書いた記事のファクトチェックは、本文にある事実の主張を1つずつ取り出し、公式の一次情報と照らし合わせて、正しいか・言い過ぎていないかを確かめる作業です。Googleも、生成AIを使う場合は公開前に事実確認をするよう案内しています。この記事では、このブログの記事を作る中で実際に見つかった誤り4つをもとに、手順とチェック表をまとめます。

この記事の要点

  • AIの下書きで起きやすいのは、作り話だけでなく、別々の事実の混同、出典ページの変化、二次情報をもとにした断定です。
  • 最初に記事の主張を書き出し、定義・因果・研究・数値などの6種類に分けると、確認の漏れが減ります。
  • 確認は公式ドキュメントや統計などの一次情報までさかのぼり、まとめ記事や検索結果の抜粋で止めません。
  • 判定は「正確・ほぼ正確・言い過ぎ・誤り・根拠不明」の5段階にし、判定ごとに直し方を決めておきます。
  • AIにも確認させられますが、誤りは完全には無くならないため、重要な情報は人が一次情報で確かめます。
AIで書いた記事のファクトチェックの流れ。1 主張を書き出して分ける(定義・因果・研究・数値など6種類)、2 一次情報までさかのぼる(公式・統計・論文。まとめ記事で止めない)、3 5段階で判定して直す(正確・ほぼ正確・言い過ぎ・誤り・根拠不明)、4 AIにも確認させる(引用で裏付け・無ければ削る)、5 公開前の最終チェック(タイトル・図の文字・リンクまで)。公開後も出典のリンク先と内容を定期的に確認する。
図1 ファクトチェックの流れ

AI記事のファクトチェックとは

AIで書いた記事のファクトチェックは、本文にある事実の主張を1つずつ取り出し、公式の一次情報と照らし合わせて、正しいか・言い過ぎていないかを確かめる作業です。文章の読みやすさや表記の統一を見る校正とは別の工程として、時間をとって行います。

AIの下書きに確認が欠かせないのは、生成AIの仕組みによるものです。Googleの生成AIコンテンツのガイダンスは、生成モデルは事実を調べて答えているのではなく、学習データから次に来る言葉を予測しているため、誤った情報を含むことがあると説明しています。そのうえで、公開前の手動のファクトチェックを勧めています。

確認する範囲は、本文だけではありません。Googleのガイダンスは、タイトル、メタディスクリプション、構造化データ、画像の代替テキストなど、検索結果に表示されうる情報も事実確認の対象に挙げています。

AIの下書きで起きやすい誤り(このブログの実例4つ)

AIの下書きで起きやすいのは、数字や出典の作り話だけでなく、別々の事実の混同、出典ページの変化、二次情報をもとにした断定です。このブログの記事を作る中でも、公開前の確認で次の4つが見つかりました。

AIの下書きで起きやすい誤り4種。作り話:存在しない数字・出典・研究がもっともらしく出る。混同:別々の2つの事実が1つの話にまとまる。出典の変化:出典ページが更新・別の記事に転送される。二次情報の断定:報道や抜粋だけを根拠に「公式は〜」と書く。
図2 AIの下書きで起きやすい誤り
種類このブログで実際にあったこと直し方
出典の変化「ChatGPTからのリンクには特定の目印が付く」という説明の出典にしたヘルプページが、確認したときには別の記事(サービス終了のお知らせ)に転送されていた断定をやめ、出典を削除した
混同ヒートマップの事例で、別々の2つのページで分かったことが、1つのページの話として書かれていたページごとに分けて書き直した
計算された数値論文の結果を要約ツールに読ませたところ、論文の表から計算した改善率が返ってきた。論文の本文に書かれた数字ではなかった論文自身が書いている「最大40%」だけを使った
二次情報だけの固有名詞レンタルサーバーの設定の名前が、報道記事でしか確認できず、公式の資料が見つからなかった社名を外し、一般的な書き方にした

4つとも、文章としては自然で、読んだだけでは気づけない誤りでした。共通しているのは、元の資料を開いて、書かれている言葉と照らし合わせたときに初めて見つかったことです。

混同の例。ページAは写真にタップが集中、ページBはフォームが約9割の位置。下書きでは、AとBの結果が1つのページの話として書かれていた。直し方:対象ごとに分けて書き、どれの話かを明記。照合:元の資料(画像・ページ)を対象ごとに確認する。
図3 混同の例:2つの事実が1つの話になる

手順1 主張を書き出して6つに分ける

最初にやるのは、記事の中の「確かめられる主張」を書き出し、定義・因果・研究・数値などの種類に分けることです。種類ごとに確認の仕方と誤りの起きやすさが違うため、分けておくと確認の漏れが減ります。

記事の主張の6分類。A 定義(「AIOとは〜」)、B 因果(「〜だから順位が上がる」)、C 研究・調査(「〜の研究では」)、D 人物・年・数値(「2024年に〜」「約2%」)、E 実践アドバイス(「月1回見る」)、F 業界・環境(「最近は〜が増えた」)。経験上、C と D は誤りが多く、B と F は言い過ぎになりやすい。
図4 主張の6分類
分類例確認のポイント
A 定義「AIOとは、AIの回答で引用されるための取り組み」公式や業界で使われている意味と合っているか
B 因果「構造化データを入れると順位が上がる」「関係がある」を「原因になる」と書いていないか
C 研究・調査「〜の研究では、可視性が上がった」研究の題名・著者・年・発表先を原典で確認したか
D 人物・年・数値「2024年9月に提案」「最大40%」原典の数字そのままか。単位・年・計算元は合っているか
E 実践アドバイス「月に1回見るのがよい」経験からの提案だと分かる書き方になっているか
F 業界・環境「最近はAI検索の利用が増えている」根拠の統計があるか。無ければ書き方を弱める

これまでの確認の経験では、誤りが特に多いのはC(研究・調査)とD(人物・年・数値)です。複数の研究や資料の内容が1つにまとまったり、年や発表した機関が入れ替わったりしやすいため、1つずつ原典で確かめます。B(因果)とF(業界・環境)は、誤りというより言い過ぎになりやすいと感じています。

手順2 一次情報までさかのぼる

確認は、公式ドキュメントや官公庁の統計などの一次情報までさかのぼって行い、まとめ記事や検索結果の抜粋だけで判断しないのが原則です。まとめ記事は、元の資料を書き写す途中で数字や条件が変わっていることがあるためです。

マーケティング記事の情報源の優先順位。1 公式ドキュメント・公式ヘルプ(Google・Meta・Microsoft などの説明)、2 官公庁・公的機関の統計(総務省・経済産業省など)、3 査読済みの論文・学会発表(論文の本文の記述まで確認)、4 調査会社の原典レポート(引用記事ではなく元のレポート)、5 報道・まとめ記事・検索の抜粋(手がかりに使い、根拠にしない)。
図5 情報源の優先順位

マーケティングやSEOの記事では、次の順で情報源を選びます。

  1. 公式ドキュメント・公式ヘルプ:Google 検索セントラル、Meta や Microsoft のヘルプなど。ツールや検索エンジンの仕様は、ここが最も確かです。
  2. 官公庁・公的機関の統計:市場の大きさや利用率など、社会全体の数字はここから取ります。
  3. 査読済みの論文・学会発表:要約ではなく、論文の本文に書かれた記述まで確認します。
  4. 調査会社の原典レポート:「〜の調査によると」と引用している記事ではなく、元のレポートを開きます。
  5. 報道・まとめ記事・検索結果の抜粋:情報を探す手がかりには使いますが、それだけを根拠にはしません。

確認するときは、ページの更新日と、確認した日を記録します。公式ドキュメントは更新されることがあるため、記事の出典欄には「〇年〇月〇日確認」と書いておくと、後から見直すときの手がかりになります。

手順3 5段階で判定して直す

確認した主張は「正確・ほぼ正確・言い過ぎ・誤り・根拠不明」の5段階で判定し、判定ごとに決まった直し方をします。判定の区分は、ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)が公開している9段階のレーティング基準を参考に、記事制作で使いやすいように5つにまとめたものです。

判定の5段階と直し方。正確:そのまま。出典と確認日を書く。ほぼ正確:細部(年・単位・名称)を直す。言い過ぎ:「〜と説明しています」など弱める。誤り:正しく書き直すか、削る。根拠不明:削るか、一般的な書き方にする。
図6 判定の5段階と直し方
判定意味直し方参考にした FIJ の区分
正確一次情報で確認でき、重要な要素も欠けていないそのまま。出典と確認日を書く正確
ほぼ正確根幹は正しいが、年・単位・名称など細部が違う細部を直すほぼ正確
言い過ぎ事実と違うとは言えないが、断定が強すぎる・条件が抜けている「〜と説明しています」「〜の場合は」と弱めるミスリード
誤り一次情報と食い違う正しく書き直すか、削る不正確・誤り
根拠不明一次情報が見つからない削るか、一般的な書き方にする根拠不明

迷いやすいのは「言い過ぎ」です。たとえば「Googleは〜を推奨しています」と書く前に、公式の文章が「推奨」なのか「可能」なのかを確かめます。公式の言い方より強い言葉を使うと、それだけで誤解のもとになります。

手順4 AIにも確認させる

AIに確認させるときは、「わからない場合はわからないと答える」「主張ごとに引用で裏付ける」「引用が見つからない主張は削る」の3つを指示します。Anthropic の公式ガイドは、AIの誤り(ハルシネーション)を減らす基本の方法として、わからないと言ってよいと伝えること、原文の引用にもとづかせること、主張ごとに引用で裏付けて見つからなければ取り下げさせることを挙げています。この記事の3つの指示は、これをもとにしています。

AIにファクトチェックをさせるときの3つの指示。1 わからないと言ってよい(自信がない所は「わからない」と答えさせる)、2 引用で裏付ける(主張ごとに、資料の原文をそのまま引用させる)、3 引用が無ければ削る(裏付けの引用が見つからない主張は取り下げさせる)。それでも誤りは完全には無くならないため、重要な情報は人が一次情報で確かめる(Anthropic の公式ガイド)。
図7 AIに確認させるときの3つの指示

このブログでは、AIに確認させるときに次のような指示文を使っています。確認に使う公式ドキュメントの本文を一緒に渡すのがポイントです。

次の記事の下書きと、資料(公式ドキュメントの本文)を渡します。
下書きにある事実の主張を1つずつ取り出し、次の形で表にしてください。

1. 主張(下書きの文をそのまま)
2. 裏付けになる資料の原文(そのまま引用。見つからない場合は「なし」)
3. 判定(正確/ほぼ正確/言い過ぎ/誤り/根拠不明)
4. 直し方

ルール:
- 資料に書かれていないことは、あなたの知識で補わないでください。
- 自信がない場合は「わからない」と書いてください。
- 引用が「なし」の主張は、判定を「根拠不明」にしてください。

AIの確認は、人の確認の代わりではなく、見落としを減らすための道具です。Anthropic のガイドも、これらの方法で誤りは大きく減らせるが、完全には無くならないため、重要な情報は人が確かめるよう書いています。AIが「正確」と判定した主張も、数字・固有名詞・年は人が原典で確認します。

手順5 公開前の最終チェック

公開前には、本文だけでなく、タイトル・説明文・図の中の文字・出典リンクまで含めて最終確認をします。本文を直したときに、図や説明文だけ古い内容のまま残ることがよくあるためです。

  • 記事の主張をすべて書き出し、判定が「正確」か「ほぼ正確(直した)」になっている
  • 数字に、単位・時点・出典がそろっている
  • 研究や調査は、題名・著者・年・発表先を原典で確認した
  • 公式の言い方より強い言葉(推奨・必須・必ず)を使っていない
  • タイトル・説明文・図の中の文字・画像の代替テキストも、本文と同じ内容になっている
  • 出典リンクをすべて開き、記事の内容がそのページに書かれていることを確認した
  • 出典欄に、確認した日を書いた

出典リンクは、開けるかどうかだけでなく、開いた先に記事の内容が書かれているかまで確認します。このブログで見つかった「出典ページが別の記事に転送されていた」誤りは、リンク自体は開けたため、内容まで読まなければ気づけませんでした。

公開した後も見直す

公式の説明は更新されるため、公開後も定期的に出典のリンク先と内容を確認し、変わっていたら記事を直して更新日を変えます。特に、検索エンジンやAIサービス、広告媒体の仕様は変化が速い分野です。

見直しのしかたは、次のとおりです。

  1. 記事ごとに、出典のURLと確認した日を一覧にしておく
  2. 3か月に1回を目安に、出典を開いて内容が変わっていないかを確かめる
  3. 変わっていた場合は記事を直し、ページの更新日を変える
  4. 出典ページが無くなっていた場合は、代わりの一次情報を探し、見つからなければその主張を削る

よくある質問

AIにファクトチェックを任せてもいいですか?

任せきりにはできません。AIに確認させると見落としは減りますが、Anthropic の公式ガイドも、誤りは完全には無くならないため重要な情報は人が確かめるよう書いています。数字・固有名詞・年は、人が原典で確認してください。

すべての文を確認する必要がありますか?

確かめられる事実の主張はすべて確認します。ただし、経験からのアドバイスや意見は事実確認の対象ではないため、「〜するのがおすすめです」のように、意見だと分かる書き方になっているかを見ます。

一次情報が英語しかない場合はどうしますか?

英語の原文を確認し、その内容を日本語で書きます。翻訳ツールを使う場合も、数字・条件・否定の言葉(not、only など)は原文で確かめてください。訳し方ひとつで意味が逆になることがあるためです。

AIで書いた記事は、Googleで評価が下がりますか?

AIを使ったこと自体で評価が下がるとは、Google は説明していません。Google が問題にしているのは、ユーザーにとっての価値を加えずに大量のページを作ることです。事実確認をして、自分にしか書けない情報を加えることが大切です。

まとめ

AIで書いた記事のファクトチェックは、次の5つの手順と、公開後の見直しで進めます。

  • 手順1:記事の主張を書き出し、6種類に分ける(研究と数値は特に注意)
  • 手順2:公式ドキュメントや統計などの一次情報までさかのぼる
  • 手順3:「正確・ほぼ正確・言い過ぎ・誤り・根拠不明」の5段階で判定して直す
  • 手順4:AIには「わからないと言ってよい」「引用で裏付ける」「無ければ削る」を指示する
  • 手順5:タイトル・図の文字・出典リンクの中身まで最終確認する
  • 公開後も、出典のリンク先と内容を定期的に確かめる

AIの下書きの誤りは、文章が自然なほど気づきにくくなります。元の資料を開き、書かれている言葉と照らし合わせる工程を、記事制作の流れに必ず入れてください。

出典・参考資料

  1. ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス(2026年10月6日更新/2026年10月20日確認)(Google 検索セントラル)
  2. Reduce hallucinations(2026年10月20日確認)(Claude Docs)
  3. FIJのレーティング基準(2026年10月20日確認)(ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ))
  4. GEO: Generative Engine OptimizationKDD 2024(arXiv:2311.09735)(Aggarwal, P. ほか)
  5. ウェブ検索のスパムに関するポリシー(2026年9月2日更新/2026年10月20日確認)(Google 検索セントラル)

この記事を書いた人

株式会社アップワードで、中小企業のWeb広告・SEO・アクセス解析を担当しています。広告の月次レポートやサイトの分析、AIを使った制作の仕組みづくりまで、実務で手を動かしています。